政府の少子化対策は、どうして失敗するのか
なお、なぜ政府の策が失敗するかと言うと、最初から少子化対策なんてするつもりがないからだ。
ムービーとは別の主張者は、
●1990年に出生率は下がっていたが、第二次ベビーブーム世代なので出生数が下がっておらず軽視した
●晩婚化だと考えていた(未婚・非婚はあり得ないと考えていた)
●金銭的理由で結婚できないケースを隠匿した
という理由を挙げ、政府は悪くないみたいな事を語る。
出会いの場では、男性が多い。しかし、婚活市場では女性の方が多くて余っているという。男の本音としては、女と付き合いたいけど、結婚は相当に慎重と言える。ちなみに、現代の結婚相談所というのは、他の相談所とネットワークで繋がっている。
少子化の理由は、貧困ではない。女性の社会進出が原因にもなっているが、もっと大きなくくりで、男女平等の思想(実際にはそうでなくても)にあると最近は考えている。「子供を産むか産まないかは女性の権利」とネットではよく主張されているが、まさにそれが根にある。

江戸時代では女性はそれなりに働いており、社会に進出していたと言える。だからといって、少子ではなかった。
戦前では、建前上は男尊女卑だった(実は昔から女性上位だからこそ、建前でそうする必要があったという説もある)。平等かどうかが重要ではなく、幸福かどうかなのだ。昔の日本は貧困で、男女平等でもなかったが、幸せだったというのが定説だ。昔の女性は、今で言う「(五体満足なのに)結婚できない男」と結婚していたから子供が生まれていたのだ。五体満足ならば誰でも結婚していた(誰とでも結婚した)時代はあった。
ムービーの結論としては、「適齢期の女性が結婚しないから」となる。別にしたくないわけではなく、無難なスペックの男を求める事が原因となる。
そりゃ、女の方が普通の男を探すために、
●同じ世代
●年収450万円以上
●二部でもいいので株式上場企業に勤めるか公務員
●Eランク以上の大卒、せめて高専卒
●平均的な身長
●ブサイクではない
●デブではない
●マザコンとか横柄とかではない
の全てを満たす人を想定するも、確率的にいるはずもなく、見事に敗れるので、結婚できるはずもあるまい。単純な確率計算以前に、幾つかが欠けているからこそ、男は結婚相談所に登録するわけで。それから、結婚相談所の男は多くの場合、子供が欲しいからと考えられる。選ばれる女性の世代はぼぼ確定しているのだ。
要するに、相談所に登録する女は、男と会った後に「主義などが合わなかった」とか「手を繋いだら、おかしいと思うくらい肌が拒絶した」ならばともかく、スペックで選んでいる時点で結婚は困難(魔法でも使えば別だけど)。ましてや、年収とか言っている時点で駄目。「年収100万円未満だけど、資産は上位10%以内にいる男」はどうするの?
筆者が学歴を明かさず関わった若い女の子(背は低いが目立つ低さではなく、他の見た目は問題なし)がいたのだが、「頭のいい男は嫌い」と筆者は聞いた(筆者に向けてではなく、嫌いなタイプの話)。当然、高学歴の男は嫌いなのだ。あの子なら多分、結婚できたと思う。普通の男を狙って結婚が難しいならば、多くの女が嫌う何かを持っている男を選べば、それなりにスムーズというわけだ。
結婚相談所に来る男性は年収が確保されているが、30代の未婚男性で年収300万円未満は91%という統計もある。
男女が結婚できない理由として、女の選択肢が増えたというのが大きな要因と考えられる。村社会の時代は同じ地域の男に対し、親族が決めたり、夜這い相手から選ぶだけだった。現代では、結婚相談所に行けば何万人も夫候補がいて、その中には「年収900万円で、ちょい年上で、大卒、普通の容姿」なんてのがいる。お見合いデートを申し込む事ができるのだ。他にも候補だけはたくさんいる。一般的には、選択肢が多い程、決める事は難しくなる。ましてや1回の結婚で、成立は1人のみ。
結婚相談所の意義。派遣の男、無職の男(借金が無い)とかが結婚できる仕組みでない限り、女余りは続こう。相談所登録の男は年収が確保されている分、忙しい人が多数派。
どうして大正生まれ世代が結婚できたかというと、親族が「結婚相手を決めてきたから、さあ顔合わせだ」のような状況だったからだ。昭和初期世代でも、見合い相手に最初から釣り合いの取れる相手を選んでいる。見合いの話がある時点で、釣り合うからだ。不成立があるならば、性格や主義のすり合わせの後となる。
幸せの定義の一つに、「現状維持」というのがある。競争や潜在的トラブルを増やしつつが収入が増える事が幸せではなく、さしてトラブルも起きず現状を維持する事が幸せというわけだ。これは漫画のカイジにもあった。
次はジョークで、ブログ筆者は「働かなくても生活できる魔法」は成功したが、「働かなくても女性をゲットできる魔法」は成功していないようだ。魔法のレベルと性質が違うと言える。


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