謎の地下集会場と要人の集まる謎のビル~ハチワンダイバー
筆者が保養施設へ行った時に、無料で漫画を読む事ができ、そこでハチワンダイバーという漫画に出会った。全35巻の大作となる。


内容は将棋の話が主体で、物語は現代の日本が舞台となる。将棋の世界に関しては現実準拠となっている。
全体の構成だが、将棋の対戦なのに、将棋盤の上に涙ダラダラだったり、血までもダラダラという事がある。敗北で死んでしまう人もいる。命懸けの戦いというわけだ。
主人公は将棋の腕が抜群の「真剣師」と呼ばれる立場。将棋のプロの枠というのは非常に狭き門で、年齢制限もある。脱落者の中に賭け将棋を生業とする者達がいて、それが真剣師なのだ。
棋士というのは将棋を指す人。プロ棋士は約200人となっている。プロといっても、トップの10人が億単位の年収を稼ぐだけで、末端のプロは将棋だけでは食ってはゆけない。また、名人というのは、各称号のトップに位置していて、神と呼ばれる。実際に神とコンタクトできる域でないと到達する事ができないのだ。
毎年、プロ棋士になれるのは4人だそうだ。野球やサッカーは何百人と語られる。現実の話だが、スポーツならば、観戦の入場料などで収益を得られるが、将棋の対戦はテレビ中継とかになり、一般人が近くで観戦する事は無理だ。つまり、プロへ支払う給金は、スポンサーが出している。スポンサーは新聞社となり、広告を出す企業や新聞を読む人の購入料が資金源となる。直接に業界へお金を出すファンというのは存在できないのだ。
言い換えると、業界を維持している勢力があるというだけで、大衆からは収入の上がらないのが将棋界というわけだ。
ここでアマチュアについて補足するが、どの分野でもアマチュアで充分な実力を持っている。アマチュアにすら到達できない部外者という存在がいるのだ。例えば作曲家のアマチュアがいるとする。しかし、作曲なんて全く出来ない部外者から見れば、相当な実力者となるわけだ。将棋も同様だ。
物語では鬼将会という謎の将棋組織があるのだが、メンバーはプロではない。鬼将会はアマチュアの強豪棋士達が集まっているのだが、その目的はプロ棋士達に将棋で勝つ事だった。
ゲームセンターの将棋ゲームをクリアすると、景品として鬼将会への案内が出てくる仕組みだった。現実にもそんな仕組みがあるのだろうか?
鬼将会には将棋部門以外にも麻雀部門、カード部門(トランプゲーム)なども存在する。
麻雀の世界にヤクザの代打(お金や利権を賭ける)システムがあるのと同様、将棋でも同様な事が行われているようだ。これは江戸時代でもそうなので伝統の域だ。
9巻(物語が4分の1くらい進んだ頃)には、鬼将会のアジトとなっているビルに主人公は潜入していた。謎の地下空洞が広がっており、地上のビルの部分も、外国の要人が訪れていたりと、秘密結社の建物みたいなイメージだ。
20巻ではついに全貌が語られる。鬼将会に集められた子供達は幼子の時点で右脳の教育を受け、将来は教師、医者、警察官、政治家、ラーメン屋・焼き肉屋、小説家、映画監督、アイドル、宇宙飛行士となってゆき、もう既にそれらの職種には鬼将会のメンバーが入り込んでいるのだ。
まあ、現実はそんな秘密結社員が混じっているというより、結社の違いはあれど目立つ人は全員が秘密結社員で、非魔導師が業界の主体になる事は、まずあり得ない。ラーメン屋といっても、テレビに出るようなカリスマもおり、結社にも属さず、努力や偶然で成功したわけではない。属する事そのものよりも、結社で右脳の開発を実施している事が決め手だ。
対戦相手に、フクロウや鷲や鳩を使う棋士が登場した。鷲(正確には隼)は男神ホルス、鳩は自由の女神セミラミス、フクロウは女神イシスの象徴だ。
漫画などで現実に準拠した舞台の物語を作れるという事は、自分がそれを体験したからというケースが多い。また、体験した事を書いてこそ面白くなるという話は、ジョジョの荒木飛呂彦氏が語っている。
思うに、ハチワンダイバーの漫画家本人が、将棋でプロになれず、真剣師をやっていたという状況ではあるまいか? そして漫画も書いた。言い換えると、プロにはなれないものの、将棋が超うまい人の中に、「仕事は漫画家でもいいや」と考える人、物語構成や絵がうまく、創作が好きな人はいるはずだ。プロ棋士には200人しかなれないが、飯を食える漫画家の枠は、棋士の枠に比べればまだまだ余っているのだ。
元・日本将棋連盟会長によると、兄達は(自分より)頭が悪いから東大へ行ったそうだ。
その会長はコンビューターに将棋で敗れる。コンビューターの性能だけでなく、プログラムの質によると考えられる。無限に手のある序盤は定石を実施し、ある程度局面が進んだら、コンピューター得意の先読みだ。また、一般的には角行と金将では、角行の方が優先の駒なのだが、これらを同格とした事で強くなったプログラムもある。
ハチワンの読書に際し、将棋をプレイした事がある方が、より理解しやすい。ルールすら知らない人は、いっそのこと、基本くらいはマスターするといいだろうか。ハチワンダイバーによると、将棋では神と繋がるそうだ(笑)
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内容は将棋の話が主体で、物語は現代の日本が舞台となる。将棋の世界に関しては現実準拠となっている。
全体の構成だが、将棋の対戦なのに、将棋盤の上に涙ダラダラだったり、血までもダラダラという事がある。敗北で死んでしまう人もいる。命懸けの戦いというわけだ。
主人公は将棋の腕が抜群の「真剣師」と呼ばれる立場。将棋のプロの枠というのは非常に狭き門で、年齢制限もある。脱落者の中に賭け将棋を生業とする者達がいて、それが真剣師なのだ。
棋士というのは将棋を指す人。プロ棋士は約200人となっている。プロといっても、トップの10人が億単位の年収を稼ぐだけで、末端のプロは将棋だけでは食ってはゆけない。また、名人というのは、各称号のトップに位置していて、神と呼ばれる。実際に神とコンタクトできる域でないと到達する事ができないのだ。
毎年、プロ棋士になれるのは4人だそうだ。野球やサッカーは何百人と語られる。現実の話だが、スポーツならば、観戦の入場料などで収益を得られるが、将棋の対戦はテレビ中継とかになり、一般人が近くで観戦する事は無理だ。つまり、プロへ支払う給金は、スポンサーが出している。スポンサーは新聞社となり、広告を出す企業や新聞を読む人の購入料が資金源となる。直接に業界へお金を出すファンというのは存在できないのだ。
言い換えると、業界を維持している勢力があるというだけで、大衆からは収入の上がらないのが将棋界というわけだ。
ここでアマチュアについて補足するが、どの分野でもアマチュアで充分な実力を持っている。アマチュアにすら到達できない部外者という存在がいるのだ。例えば作曲家のアマチュアがいるとする。しかし、作曲なんて全く出来ない部外者から見れば、相当な実力者となるわけだ。将棋も同様だ。
物語では鬼将会という謎の将棋組織があるのだが、メンバーはプロではない。鬼将会はアマチュアの強豪棋士達が集まっているのだが、その目的はプロ棋士達に将棋で勝つ事だった。
ゲームセンターの将棋ゲームをクリアすると、景品として鬼将会への案内が出てくる仕組みだった。現実にもそんな仕組みがあるのだろうか?
鬼将会には将棋部門以外にも麻雀部門、カード部門(トランプゲーム)なども存在する。
麻雀の世界にヤクザの代打(お金や利権を賭ける)システムがあるのと同様、将棋でも同様な事が行われているようだ。これは江戸時代でもそうなので伝統の域だ。
9巻(物語が4分の1くらい進んだ頃)には、鬼将会のアジトとなっているビルに主人公は潜入していた。謎の地下空洞が広がっており、地上のビルの部分も、外国の要人が訪れていたりと、秘密結社の建物みたいなイメージだ。
20巻ではついに全貌が語られる。鬼将会に集められた子供達は幼子の時点で右脳の教育を受け、将来は教師、医者、警察官、政治家、ラーメン屋・焼き肉屋、小説家、映画監督、アイドル、宇宙飛行士となってゆき、もう既にそれらの職種には鬼将会のメンバーが入り込んでいるのだ。
まあ、現実はそんな秘密結社員が混じっているというより、結社の違いはあれど目立つ人は全員が秘密結社員で、非魔導師が業界の主体になる事は、まずあり得ない。ラーメン屋といっても、テレビに出るようなカリスマもおり、結社にも属さず、努力や偶然で成功したわけではない。属する事そのものよりも、結社で右脳の開発を実施している事が決め手だ。
対戦相手に、フクロウや鷲や鳩を使う棋士が登場した。鷲(正確には隼)は男神ホルス、鳩は自由の女神セミラミス、フクロウは女神イシスの象徴だ。
漫画などで現実に準拠した舞台の物語を作れるという事は、自分がそれを体験したからというケースが多い。また、体験した事を書いてこそ面白くなるという話は、ジョジョの荒木飛呂彦氏が語っている。
思うに、ハチワンダイバーの漫画家本人が、将棋でプロになれず、真剣師をやっていたという状況ではあるまいか? そして漫画も書いた。言い換えると、プロにはなれないものの、将棋が超うまい人の中に、「仕事は漫画家でもいいや」と考える人、物語構成や絵がうまく、創作が好きな人はいるはずだ。プロ棋士には200人しかなれないが、飯を食える漫画家の枠は、棋士の枠に比べればまだまだ余っているのだ。
元・日本将棋連盟会長によると、兄達は(自分より)頭が悪いから東大へ行ったそうだ。
その会長はコンビューターに将棋で敗れる。コンビューターの性能だけでなく、プログラムの質によると考えられる。無限に手のある序盤は定石を実施し、ある程度局面が進んだら、コンピューター得意の先読みだ。また、一般的には角行と金将では、角行の方が優先の駒なのだが、これらを同格とした事で強くなったプログラムもある。
ハチワンの読書に際し、将棋をプレイした事がある方が、より理解しやすい。ルールすら知らない人は、いっそのこと、基本くらいはマスターするといいだろうか。ハチワンダイバーによると、将棋では神と繋がるそうだ(笑)
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テーマ : 集英社(ヤングジャンプ)
ジャンル : アニメ・コミック