希少金貨のトリック~持てば利益の可能性、ババを掴ませられたら負けのゲーム
当ブログで先日はゴールドの話をした。あんまり受けていないようだ。性懲りも無く、再びゴールドの話。今回は多少は、面白ければ幸いだ。


宝飾品(ネックレスなど)や工芸品(置物など)を除く。金の現物投資には、ゴールドバーと金貨の形態がある。ゴールドバーには売値と買値の差があり、重量が小さくても手数料程度で取り引き可能だ。
そして金貨には3種類ある。まず、「投資用金貨」というジャンルがあり、毎年、大量に発行される。初心者でも金価格程度を参考に買えば失敗しない。
次に「アンティーク金貨」というジャンルがあり、19世紀以前やナポレオンの時代など、昔に発行された金貨だ。これは、もう現代では造る事ができず、造ったとしても近代発行限定金貨でしかない。つまり、ナポレオン金貨と同じ物を現代造ったとしても、それはナポレオン金貨ではなく、数量限定のレプリカ金貨でしかないわけだ。
3つめは「数量限定金貨(ウルトラ ハイ リリーフ)」で、わざと発行数を少なく販売し、最初からプレミアで売る目的となる。日本でいうと、記念硬貨のイメージが近い。そして、その発行枚数が極めて少なく、ピカピカに磨かれている品もある。
「投資用金貨」「アンティーク金貨」「数量限定金貨」の3つを把握してもらいたい。
アンティーク金貨と数量限定金貨は、当ブログでは美術品金貨という名前で呼ぶ事にする。一般的には希少金貨と呼ばれる。この美術品金貨というのは、適正価格を見極めれば、割りと確実に利益を出せる。理由は「この金貨はこの価値だ」という格付け機関が、徐々に上げてくれるからだ。その時点でトリックと言える。しかし、金の相場よりも遥かに高い値で掴まされるので、ババ抜きと同じ原理だ。そしてババを持っている期間が長ければ、それだけ値上がりを期待できる。しかし、いざ売る時に買い手がいなければババを掴む事が確定するわけだ。もちろん、金の相場よりは高く売れるので全損にはならないが、最初払ったプレミア自体が幻で、その分が確実に騙し取られる事になる。
美術品金貨・希少金貨(銀貨)の業者は、公開市場などから調達し、割りと少ない手数料で顧客に販売する。そして、時期が来たら、どこかの業者がその顧客から買い取り、別の顧客に売却する。通常は値上がりし続ける。ある金貨が顧客から移動する先の業者は同じ所でもいいし別業者でもいいし、公開市場でもいい。つまり、常にババを掴む人を探しているような有り様だ。
顧客をたくさん持ったり、業者同士の連携を実現すれば、顧客同士で売買させる仲介で手数料を抜き取り続ける事が出来るというわけだ。最後に高値で掴まされた客が騙される。そして、その顧客が売るとなれば相場が下がるので、再び「安く入ってお得だ」と称して別の顧客に売りつける事が出来る。金貨を不動産に例えると、特別に驚く仕組みではない。また、悪人は幾らでもいるので、美術品金貨を売る業者は、ずっと後回しに叩かれるべき存在だ。
これは恐らく金貨銀貨に限らず、美術品そのものの市場原理なのではと考える。なお、掛け軸や陶器などは管理が大変だが、金貨は圧倒的に管理が楽だ。陶器は割れればお仕舞いだが、金貨が駄目になる出来事はなかなか無い。太陽光、熱、圧迫、衝撃、酸素、水、薬品・インクなどに強い(銀貨は空気には注意)。
当ブログでは金貨投資そのものはお奨めしている。先物取引やETF(投資信託)では現物が手元に無いので、全く信用できない。純金積み立ては投資という観点では悪くないが、やはり現物のパワーを教授できないのにお金だけ払う点では却下だ。まあ、広告料を貰えるならば奨めるだろう。そうなのだ、美術品金貨業者をターゲットにする理由をいつものジョークで語ると、そういう業者から「●万円で記事を書いてください」や「月●万円で広告を貼ってください」という依頼が無いので、正直に書くしか無かったのだ。筆者にお得な依頼があれば、記事自体を消せたり調整できる。
希少金貨の記事を書く発端だが、「希少金貨の投資は、年利30%とかもあり得る」という業者の謳い文句の、どこがトリックなのか見抜くために研究した結論だ。もし、本当に確実に利益を上げられるならば、筆者自身が試してもいいと考えていた。「株で損した穴埋めに、所持しているアンティーク金貨を即座に売りたい!」みたいな顧客から流れた金貨を買えば、そりゃ30%の利益もあり得よう。
投資用金貨はゴールドの金属としての相場に加えたプレミアは1割程度なので、滅茶苦茶に曲がったとしても、そのプレミア程度ならば相場変動で充分に対応できる。ゴールドバーは傷付こうが、曲がろうが、溶けようが、重量が減ってなければ買い取り価格は変わらない。なお、南アフリカのクルーガーランド金貨は「ゴールドの相場のみで買い取ります」という宣言がされ、プレミアを消されてしまった。ただ、ゴールドの価格が上がり続けていた時の宣言なので、金銭的に損した人は少数派だと思われる。
初心者はゴールドバーで良いが、見た目にもこだわるならば投資用金貨。有名所では、ウィーン金貨、メイプルリーフ金貨、カンガルー金貨。ウイーン金貨(オーストリア発行)の場合100ユーロと描かれていて、どんなに金価格が下がっても100ユーロの価値はあるという記しだ。誤解している人がいたのだが、ユーロは崩壊するのでウイーン金貨は駄目だみたい主張だった。仮にユーロが崩壊しても、ゴールドの価格が崩壊するわけではない。以前のウイーン金貨はオーストリアの通貨シリングと記されていて、シリングが無くなっても、ちゃんとゴールドしての価値は維持している。ユーロ崩壊でオーストリアがシリングに戻っても、あるいは新しい通貨になっても、その通貨単位が記される事になろう。イーグル金貨は金の含有が99.99の純金ではないので、純金にこだわる人はやめた方がいい。しかしながら、サイズが少し大きくなり、デザインはイーグル(ホルス)と自由の女神セミラミス(イシス)が描かれ、格好いい。
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そして金貨には3種類ある。まず、「投資用金貨」というジャンルがあり、毎年、大量に発行される。初心者でも金価格程度を参考に買えば失敗しない。
次に「アンティーク金貨」というジャンルがあり、19世紀以前やナポレオンの時代など、昔に発行された金貨だ。これは、もう現代では造る事ができず、造ったとしても近代発行限定金貨でしかない。つまり、ナポレオン金貨と同じ物を現代造ったとしても、それはナポレオン金貨ではなく、数量限定のレプリカ金貨でしかないわけだ。
3つめは「数量限定金貨(ウルトラ ハイ リリーフ)」で、わざと発行数を少なく販売し、最初からプレミアで売る目的となる。日本でいうと、記念硬貨のイメージが近い。そして、その発行枚数が極めて少なく、ピカピカに磨かれている品もある。
「投資用金貨」「アンティーク金貨」「数量限定金貨」の3つを把握してもらいたい。
アンティーク金貨と数量限定金貨は、当ブログでは美術品金貨という名前で呼ぶ事にする。一般的には希少金貨と呼ばれる。この美術品金貨というのは、適正価格を見極めれば、割りと確実に利益を出せる。理由は「この金貨はこの価値だ」という格付け機関が、徐々に上げてくれるからだ。その時点でトリックと言える。しかし、金の相場よりも遥かに高い値で掴まされるので、ババ抜きと同じ原理だ。そしてババを持っている期間が長ければ、それだけ値上がりを期待できる。しかし、いざ売る時に買い手がいなければババを掴む事が確定するわけだ。もちろん、金の相場よりは高く売れるので全損にはならないが、最初払ったプレミア自体が幻で、その分が確実に騙し取られる事になる。
美術品金貨・希少金貨(銀貨)の業者は、公開市場などから調達し、割りと少ない手数料で顧客に販売する。そして、時期が来たら、どこかの業者がその顧客から買い取り、別の顧客に売却する。通常は値上がりし続ける。ある金貨が顧客から移動する先の業者は同じ所でもいいし別業者でもいいし、公開市場でもいい。つまり、常にババを掴む人を探しているような有り様だ。
顧客をたくさん持ったり、業者同士の連携を実現すれば、顧客同士で売買させる仲介で手数料を抜き取り続ける事が出来るというわけだ。最後に高値で掴まされた客が騙される。そして、その顧客が売るとなれば相場が下がるので、再び「安く入ってお得だ」と称して別の顧客に売りつける事が出来る。金貨を不動産に例えると、特別に驚く仕組みではない。また、悪人は幾らでもいるので、美術品金貨を売る業者は、ずっと後回しに叩かれるべき存在だ。
これは恐らく金貨銀貨に限らず、美術品そのものの市場原理なのではと考える。なお、掛け軸や陶器などは管理が大変だが、金貨は圧倒的に管理が楽だ。陶器は割れればお仕舞いだが、金貨が駄目になる出来事はなかなか無い。太陽光、熱、圧迫、衝撃、酸素、水、薬品・インクなどに強い(銀貨は空気には注意)。
当ブログでは金貨投資そのものはお奨めしている。先物取引やETF(投資信託)では現物が手元に無いので、全く信用できない。純金積み立ては投資という観点では悪くないが、やはり現物のパワーを教授できないのにお金だけ払う点では却下だ。まあ、広告料を貰えるならば奨めるだろう。そうなのだ、美術品金貨業者をターゲットにする理由をいつものジョークで語ると、そういう業者から「●万円で記事を書いてください」や「月●万円で広告を貼ってください」という依頼が無いので、正直に書くしか無かったのだ。筆者にお得な依頼があれば、記事自体を消せたり調整できる。
希少金貨の記事を書く発端だが、「希少金貨の投資は、年利30%とかもあり得る」という業者の謳い文句の、どこがトリックなのか見抜くために研究した結論だ。もし、本当に確実に利益を上げられるならば、筆者自身が試してもいいと考えていた。「株で損した穴埋めに、所持しているアンティーク金貨を即座に売りたい!」みたいな顧客から流れた金貨を買えば、そりゃ30%の利益もあり得よう。
投資用金貨はゴールドの金属としての相場に加えたプレミアは1割程度なので、滅茶苦茶に曲がったとしても、そのプレミア程度ならば相場変動で充分に対応できる。ゴールドバーは傷付こうが、曲がろうが、溶けようが、重量が減ってなければ買い取り価格は変わらない。なお、南アフリカのクルーガーランド金貨は「ゴールドの相場のみで買い取ります」という宣言がされ、プレミアを消されてしまった。ただ、ゴールドの価格が上がり続けていた時の宣言なので、金銭的に損した人は少数派だと思われる。
初心者はゴールドバーで良いが、見た目にもこだわるならば投資用金貨。有名所では、ウィーン金貨、メイプルリーフ金貨、カンガルー金貨。ウイーン金貨(オーストリア発行)の場合100ユーロと描かれていて、どんなに金価格が下がっても100ユーロの価値はあるという記しだ。誤解している人がいたのだが、ユーロは崩壊するのでウイーン金貨は駄目だみたい主張だった。仮にユーロが崩壊しても、ゴールドの価格が崩壊するわけではない。以前のウイーン金貨はオーストリアの通貨シリングと記されていて、シリングが無くなっても、ちゃんとゴールドしての価値は維持している。ユーロ崩壊でオーストリアがシリングに戻っても、あるいは新しい通貨になっても、その通貨単位が記される事になろう。イーグル金貨は金の含有が99.99の純金ではないので、純金にこだわる人はやめた方がいい。しかしながら、サイズが少し大きくなり、デザインはイーグル(ホルス)と自由の女神セミラミス(イシス)が描かれ、格好いい。
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