脳を機械に繋ぐと、人は機械の意識を持つ~百鬼夜行シリーズ


先日は真・女神転生2(1994年)を題材に、VR世界で理想郷の住人になる人間の話をした。同じ時期に登場した小説に、百鬼夜行シリーズがある。舞台は戦後すぐの時代だが、作品としての登場時期は真・女神転生2と近い。脳を機械に繋ぐ話は1995年の作品となる。
銀河鉄道999(1977年)では機械人間というのが登場するが、脳の一部、恐らく脳髄が生身で、他の部分がすべて機械になる。脳の一部があるにもかかわらず、機械人間の大半が冷徹で、元の人格を残せない人ばかり。

さよなら銀河鉄道999は、人間の魂が出荷される話。
百鬼夜行シリーズの2弾「魍魎の匣」は機械人間の話。次のようなシーンが有る。
脳は鏡。機械に繋がれた脳が生み出すのは機械の意識。
要するに、生身の体を持っているからこそ、人間らしい意識を持つ事ができるのが脳という器官。よって、機械の体になった途端に別の人格になるというわけだ。確かに銀河鉄道999でも分析すればそういう事だが、言葉にしたのが百鬼夜行シリーズのポイントと言える。
見落としてはならないが、1995年の時点で、脳を機械に繋ぐと機械の心を持つ事が闇の実験で判明しているのではあるまいか。その話を聞いて小説にしたわけだ。いや、銀河鉄道999の1977年の時点で、判明していたのか。
ムーンショット計画が進み、最終的に脳味噌だけになった時、大衆のソウル(魂)に悪魔が合体できる。要するに、宇宙人など邪悪な異次元生命体が大衆の生命をハッキングして魂を刈り取るというわけだ。単純な人口削減ならば、大衆を生かしておく必要はない。しかし、地球人の多くを異次元生命体に売り渡すのが目的ならば、生きている部分を残す筋道ができる事に。


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